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RL78/G13でインターバル・タイマーを使ってみる

ようやく、ここまで来た感がある。

タイマーの機能は、複雑なので、機能を理解して、クラスを作るのが難しく、楽しい。

まず、面倒な、データ・レジスタのマッピング・・
これは、SAU(シリアルアレイもそうだったけど)ではまったんだけど、SDR
(シリアル・データ・レジスタ)でも実アドレスが、不規則に並んでいる・・
SAUは8チャネルが2ユニットあるのだけど、SDRだけ、不規則な実アドレスと
なっている。(何でこうなるのか理由は不明だが、仕様なので仕方無い・・)

タイマ・アレイはほぼ同じ構成であるので、テンプレートでクラスを作り、テンプレ
ートパラメーターとして、アドレスのオフセットを加える構成にしてある、しかし、
それだと、不規則なアドレスの変化に対応出来ない為、SDRだけ、別途アドレスを
与えるようにして対応した。

// UOFS: ユニット・オフセット
// CHOFS: チャネル・オフセット
// DRADR: SDRアドレス
template <uint32_t UOFS, uint32_t CHOFS, uint32_t DRADR>
struct tau_t {
.
.
.
};
typedef tau_t<0x00, 0x00, 0xFFF18> TAU00;
typedef tau_t<0x00, 0x02, 0xFFF1A> TAU01;
typedef tau_t<0x00, 0x04, 0xFFF64> TAU02;
typedef tau_t<0x00, 0x06, 0xFFF66> TAU03;
typedef tau_t<0x00, 0x08, 0xFFF68> TAU04;
typedef tau_t<0x00, 0x0A, 0xFFF6A> TAU05;
typedef tau_t<0x00, 0x0C, 0xFFF6C> TAU06;
typedef tau_t<0x00, 0x0E, 0xFFF6E> TAU07;

C++ で作ると、このような、変化に柔軟に対応できて、便利だ、そしてわかり易い。

RL78/G13 tau.hpp

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日本製マイコンのタイマー系は、やはり良く考えられて作られている。

まずは、基本のインターバル・タイマーを使って、矩形波を出力する。
インターバルタイマーの矩形波は、タイミングでトグルするので、設定の半分の周期
となる。

※サンプルでは、TO01端子(ポート1のビット6)40番ピンから、5KHz、
デューティー50%の信号を出力する。

TAUを使ったインターバルタイマー出力

今後、機能追加の過程で、仕様は変わるものと思う。

RL78/G13にSDカードを繋いでみる

液晶表示で、少し手間取ったけど、ようやく本命のSDカードアクセス。
でも、これは、ChaN さんのソフトウェアーに、おんぶにだっこで、自分の実装する
部分は少ない上に、非常に良く出来たソフトウェアーなので、移植も楽だし、トラブ
ルも少ない。
FatFs 汎用FATファイルシステム モジュール
※今回は、「ff12a」を使った。
RL78/G13は、リソースもそこそこ沢山あるので、最小構成版を使う必要は無
い(pfatfs)ものの、RO領域が限られるので、UTF-8を使う事が出来ない。
この対応は、少し考えたい。
※外部 EEPROM などに、コードページの変換テーブルなどを置く事が考えられる。
※又は、通常のコード領域に配置して、32ビットポインターでアクセスするなど。

以前R8Cで実験した時は、基板にSDカードソケットを直付けしたのだけど、それ
だと、他に流用出来なくなるので、今回は、モジュールにしてみた。
IMG_0809s
IMG_0810s
ヒロセ製のSDソケットは、品質が高く(創りが良い)、これ以外は使いたくないく
らいの出来の良さ。
一応、全ての端子を出してある、又、埃等が入らないように、テープを張ってある。
電源オン、オフのP-ChanelFET、電源LEDなども含めておいた。
電源をオンにした時、かなり大きな電流が流れる、その時の急激な電圧降下を和らげる
目的でフェライトビーズ(470オーム、1000mA)を入れてある。

また、カードのチップセレクト端子や、データアウト端子は、電源OFF時に、「H」
にしていると、そこから、電流が内部に還流するので、電源OFF時は、「0」にする
必要がある。

ChaN さんのプロジェクトを自分のシステムに移植する方法は、簡単で、サンプルにある
「generic」サンプルの「sdmm.c」を参考にする事だと思う、このソースは、クロック信
号、シリアル/パラレル変換を全てソフトで行っているもので、わかり易く、必要最低限
のコードを追加すればよい。
また、全体の機能設定を「ffconf.h」で行ない、「ff.c」をプロジェクトに加える。

IMG_0811s

SDカード・サンプル
このサンプルでは、起動すると、SDカードのルートディレクトリーをリストする。
このサンプルでは、カードをソケットに入れると、マウントを行い、抜くとアンマウント
を行なう。
又、コンソールから、「dir」コマンドを入力する事で、ディレクトリーのリストが行える。

シリアル通信では、SAU0(SO00、SI00、SCK00)を使っている。
それ以外の制御と、カード検出などは以下のポートを利用している。

    typedef device::PORT<device::port_no::P0,  device::bitpos::B0> card_select;	///< カード選択信号
    typedef device::PORT<device::port_no::P0,  device::bitpos::B1> card_power;	///< カード電源制御
    typedef device::PORT<device::port_no::P14, device::bitpos::B6> card_detect;	///< カード検出

※「main.cpp」参照

参考回路と KiCAD のプロジェクトなど:
KiCAD プロジェクト

SDC_sample

RL78/G13でSPI通信、モノクロLCDを表示

I2Cが、何とか動作するようになったので、次はSPI通信。
RL78/G13は、SAU(シリアル・アレイ・ユニット)で、SPI準拠の通信も
扱える(CSIと呼ぶらしい)、これなら、SDカードアクセスを行なっても、アクセ
ス速度が足りないとかは無さそうだし、DMA転送も使えるはず。
※以前にR8CでSPI通信を行なった時は、ソフトウェアーのみで実装した、その時
は、SDカードのアクセスでは、11.05KHzの波形ファイルの再生が限界だった。
一応R8CにもシリアルユニットをSPI通信で使うモードが用意されてはいるものの、
そうすると、シリアル通信が出来なくなってしまう。

RL78/G13では、シリアル・アレイは6チャネルもあり、潤沢に使える。

ただ、CSIを実装していて気がついたが、最高速度は16MHzである上に、それは、
CSI0だけで、他は8MHzが上限のようだ・・
これは、かなり痛い・・
現在UARTには、チャネル0、1を宛てているので、これを、別に宛てて、最高速度
が出せるチャネルは、CSI用にする必要があるようだ・・

それでは、早速、CSI用のマネージャーを作成開始。
UARTと違うのは、UARTでは、基本、送信と受信は全二重(別チャネル)で動く
ので、SAUは2チャンネル必要だけど、CSIでは、1チャネルで、出力、入力を兼
ねる点。

簡単なテストプログラムを作成して、出力をオシロスコープで確認してみたもの、パル
スが出力されない・・・

随分時間をかけて、調べた結果、SAUのデータレジスターの実アドレスだけが、イレ
ギュラーな飛び方をしている事を発見、それを修正したら、SO10から、パルスが出
るようになった。

FFF10H, FFF11H(SDR00), FFF12H, FFF13H(SDR01)
FFF44H, FFF45H(SDR02), FFF46H, FFF47H(SDR03)
FFF48H, FFF49H(SDR10), FFF4AH, FFF4BH(SDR11)
FFF14H, FFF15H(SDR12), FFF16H, FFF17H(SDR13)

※「SO10」は、「SDR02」を使う。

まず、SDカードの前に、もっとも簡単なLCDを繋いでみた。
大型STN液晶モジュール(128x64/SPI) [LCD12864B11-2P]
RAMが潤沢にあるので、128X64のグラフィックスも余裕で扱える~
ビットマップのLCDを高速に、そして柔軟に扱うには、どうしてもフレームバッファ
が不可欠で、表示サイズと同等のメモリーが必要となる。
この場合、1Kバイトの領域が必要。
通常、アプリケーションは、フレームバッファを全クリアして、オブジェクトをメモリ
ー上に描画する、そして、最後の描画が終わったら、全ての内容を、LCDに送る。
こうする事で、柔軟な描画が出来る。
これが、俗に言う「フレームバッファ方式」と呼ぶもので、他の考え方として、書き換
えが起こったら、その領域だけを選択的に書き換える方法があるが、液晶モジュールと
のコマンドのやりとりが複雑になり、書き換える領域が大きいほど、描画時間が多くか
かってしまう、また、書き換えるタイミングも個別に管理しなくてはならない。
フレームバッファ方式の場合、1秒に60回ほどの書き換えが望ましいが、STNの液
晶は、応答が速く無いので、秒間15枚も書き換えれば、十分かもしれない。
この方式は、昔からゲーム機で広く使われている方式。

能書きはこのくらいで~

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先日、Aitendoで購入したLCDは、コントローラーは、「ST7565R」と
あるので、ネットを探して、「ST7565」のドライバーを入手した。
以前にR8Cでも「ST7567」の液晶を扱ったので、その時に書いたドライバーは
あるが、別のソースを精査して、もう一度ドライバーを見直してみた。
※少し、動作が怪しい部分があった為もある。

ソフトを実装して、動かしてみたが、ウンともスンとも動かない・・
SCI関係のバグなのかもと思い、クロックとデータの関係など、色々確認してみたが、
問題無い、悩んだ末、組み立てる前から、基板のコネクターが気になっていたので、良
く調べてみると・・・
何と、ケーブルを差し込む上下が逆になっている・・・
ホームページの写真ではストレートに接続しているが、これでは、機能しない、180
度返さないと接触しない。
IMG_0807s
IMG_0808s

とりあえず、動作はしたのだが、非常に後味が悪い・・・
※メールで交換、返品を申し出たのだが、どうなるやら・・

RL78/G13でI2Cを使ってみる

最近アマゾンで、Arduino向けデバイスが格安で入手できる、中華製で、品質は
それなりではあるけれども、値段が恐ろしく安い。(送料も大抵無料)
評価欄で、低評価をしてる人がいて笑ってしまうのだが、こんだけ安くて、何が不満な
のだろうか?
部品を正規ルートで買って組み立てたら10倍以上の値段になるだろうか・・
「当り」、「はずれ」は当然として、不満なら正規品を買えば良いだけの事と思うのだ
が・・
※スイッチサイエンスや、ストロベリーリナックスで、同じような「製品」は入手でき
る、その場合のコストを考えてほしいと思う。

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さて、シリアル入出力は、割り込みにも対応できて、機能的にはとりあえず十分なので
何か外にデバイスを接続したくなる。
RL78/G13には、SAU(シリアル・アレイ・ユニット)を簡易I2Cとして使
う機能があるが、他に、IICA(I2Cアレイ)が1チャネルあり、I2Cの仕様を
全て満足する事が出来るので、当然ながら、こちらを使う事になる。

ハードウェアーマニュアルを読んでも、イマイチ使い方がピンとこなかったが、以前に
R8Cで、I2Cをソフトウェアーだけで実現した経験があったので、それが役立った、
出来上がってみると、R8Cで実装した構成とほぼ同じようになった。
新規のデバイスを使うのは、困難が伴う、I2Cは動作が複雑なのでなおさらだ。
ハードウェアー・マニュアルの不備などに悩まされ、ルネサスさんのサンプルコードも
参考にして、ようやく動作した。
まだ、ポーリング動作なので、遅いI2Cは、割り込みにする必要があるのだけど。
※R8CのソフトウェアーI2Cもフル機能がある。

構成が複雑化してくると、バイナリーが肥大化してきた、これを解消する為、このプロ
ジェクトから、最適化オプション「-O2」を「-Os」とした。
これは、「-O2」から、バイナリサイズが大きくなる可能性のある最適化オプションを取
り除いたもので、サイズはかなり縮小する。
※おおよそ1/4になった。

使ったデバイスは、DS3231で、RTCだ、このモジュールは中華製で、危険なほど
安い!(確か220円とかだった)
このRTCは、OSCの発振周波数が非常に正確なのが特徴で、普通にチップだけ買って
も500円はするが、このモジュールは、バッテリーバックアップ、それにEEPROM
まで付いている。

IMG_0804s

DS3231サンプル・プロジェクト

RL78/G13のスタートアップルーチン修正

const 領域の問題が解決したと思って、コンパイラに含む問題は解決されたと
思っていたのだが、何だか、動作が怪しい・・・

少し調べると、クラスの初期化リストが正しく動いていないように感じた。

xxxx.lst を見ながら、xxxx.mot ファイルのバイナリーを色々調査すると、明
らかに呼ばれていない関数がある事が判った。

00004c96 <__GLOBAL__sub_I__Z5wait_v>:

このアドレス「0x00004c96」は、どうやら、「.ctor」に積まれているようだ。

今まで、スタティックに定義したクラスのコンストラクターは、

extern void rl78_run_preinit_array(void);
extern void rl78_run_init_array(void);
extern void rl78_run_fini_array(void);

の3つを走らせれば良いのだと思っていたが、どうやら、「ctor」に積まれた
アドレスもコールしておく必要があるようだ・・

そこで、リンカースクリプトに「ctor」、「dtor」リストのシンボルを追加して、
「start.s」に関数を呼ぶエントリーを追加、「init.c」から呼ぶようにしてみ
た。
※どの順番で呼ぶのか不明なので、ctor を最初に呼ぶようにした。
※ctor、dtor のエントリーアドレスを得る方法が判らないので、シンボル追加。
この「無理やり」な解決方法が合っているか不明ではあるけど・・・

とりあえず、初期化が正しく行われ、正常に動作しているようだ。

まだまだ、スタートアップの方法に問題を含んでいるのかもしれない・・・

ここは、時間が出来たら、もう少し厳密な調査をしたい。

RL78/G13でインターバルタイマーを使ってみる。

RL78も、UARTが動作し始めた事で、佳境に入った感が出て来た。

とりあえず、現在使ってみた感想を述べてみる~
・バイナリーは、R8Cより少なくなる感じではあるけど、基本内部は8ビット構成な
ので、16ビットや32ビットを扱うと、肥大化は免れない。
・ミラー領域のおかげで、64K領域を超えた場合も、ある程度普通に扱う事が出来る。
・32MHzで動作するので、速度面でもかなり有利に感じる。
・RL78/G13は、コアは「S-2」なので、掛け算や割り算命令は無いものの、
外部に「乗除積和算器」があり、コンパイラオプション「-mmul=g13」で、コンパイラ
はこのリソースを使う為、それなりの速度で動作する。
※但し、割り込みルーチン内で使う場合には注意を要すると思われる。
・トータルメモリーのサイズから考えると、コストパフォーマンスに優れている。
・消費電力が非常に小さい。

いつもは、LED点滅の後くらいに、インターバルタイマーを実装するけど、RL78
のインターバルタイマーは、1ユニットで、12ビットレンジ、低速で、シンプルすぎ
るので、イマイチ意欲が沸かなかったが、必要な機能ではあるので、粛々と実装した、
動いた。

ただ、残念なのは、カウンターの値を読み出す事が出来ないので、正確なタイマーを実
装したい場合などに使えない。

単に設定したインターバルを待つだけのものでしか無い。

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ついでなので、ソフトディレイも実装した。
RL78/G13では、32MHz動作なので、より細かい単位も可能だけど、とりあえ
ず良く使うだろう、1uS(1マイクロ秒)単位の関数にした、これは、R8Cと同じ仕
様。
最初、アセンブラは、覚えなくても良いとか言ってたけど、結局、なんだかんだで、覚え
る必要が出てきて、ソフトウェアーマニュアルを読む事になった・・・

void micro_second(uint16_t us)
{    
    while(us > 0) {
        --us;
    }
}

上のようなコードは、最適化(-O2)して、以下のように展開される

(2) decw    0xffef0
(1) movw    ax, 0xffef0
(1) cmpw    ax, #0
(1) skz
(3) br      !!4922 <.L629>

最適化されても、ワークメモリーが使われているが、マシンサイクルから考えると、なる
ほど、ペナルティーは意外と少ない。
RL78のような、アーキュムレーターが基本のCPUでは、レジスターだけに割り振る
コードを出すのは難しいのかもしれない・・
※()内がマシンサイクル

この結果を考慮して、全体で32クロックになるように「nop」命令を置く。

・次のコードで実験してみた。

    while(1) {
        utils::delay::micro_second(10);
        P4.B3 = !P4.B3();
    }

10uS毎にポートを変化させてみた。
IMG_0802s
大体合ってる~

インターバルタイマーソースコード

RL78/G13でUARTを使ってみる

暇をみて、I/O関係の定義を粛々と実装しているけど、まずはシリアル通信だろう~
※I/Oポートの定義は実装した。

早速、SAU(シリアル・アレイ・ユニット)の定義を作った。
RXマイコンやR8Cのハードウェアーマニュアルでは、レジスター名の命名は、規則的
で、一貫性があり、作りやすいのだけど、RL78は、一貫性が無く、ハードウェアー
マニュアルと乖離しないように、考えながら実装しないと駄目な感じで疲れる。
※R8Cは、多少古いので、部分的に微妙な部分もあるけど・・

例えば、I/Oポート:
「P1」はP1グループ(P10~P17)を指す。
「P10」は、「P1」ポートの「0」ビットなんだけど・・・
P10グループ(P100~P107)のポートも同時に存在する為、「当たる」・・・
従って、ビット指定の令名はプログラム上から行えない。
なので、「P1.B0」とするようにした、これは、RXやR8Cもそうしているので、
問題ないけど・・、何でそうなるの?、作った人って何考えてるか・・・

I/Oポートでそんな感じだから、他も、かなり酷い、でもまぁ仕方無い、なるべく、
ハードウェアーマニュアルの記述を取り込むように、考えながら実装してみた。

それで、早速UART0を使った、送信、受信のクラスを書いてみた。

RXともR8Cとも違う構成のレジスター郡で、RL78はNEC系なんだと思うが、
理解と動作するまでに、それなりに時間がかかった・・・

文字列を出力する簡単なプログラムが、思ったように動作しない事が主な原因だった。
※この問題は、「RL78のミラー領域」で詳細を解説してある。

とりあえず、ポーリングによる実装のみしてあり、これから、割り込みを使った物や
DMAを使った実装を行いたい。

追記:
割り込みを使った実装を行った、以前に書いた、R8C用のコードをほぼそのまま
使ったが、問題無く動作する。
この辺り、C++は、再利用性が高い、これは、実装段階で、再利用を考えながら
ハードの依存を極力減らして書いている事が大きいのだけど・・・

DMAは、転送量があまり多く無いシリアル通信の為に使うと、もったいない気が
する、SDカードの読み書き、LCDへの転送など、転送量が多いデバイス用に確
保する方が良いと思った、また、DMAでは、結局、同期を取ったり、その他の部
分のマネージメントが色々ありそうなので、とりあえず保留とする事にした。

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RL78内蔵の「シリアル・アレイ・ユニット」は、このデバイスでは、2ユニット
、6チャネルの通信回路が使えて、UART回線なら3回線を同時に使える。

「G13/sau.hpp、common/uart_io.hpp」テンプレートでは、これを扱えるように工夫
してある。
RL78/G13 では、シリアル通信は、偶数チャネルで送信動作、奇数チャネルで受信動
作を行う為、送信チャネル、受信チャネルを別々に指定する。
※制限もあるので、複数チャネルを使う場合には注意が必要。

UART0を宣言する場合は以下のようにする。
※現在は使われていないが、送信バッファと受信バッファの大きさを指定する。

    device::uart_io<device::SAU00, device::SAU01, 128, 128> uart0_io_;

他のチャネルは動作テストはしていないけど、同じように扱う事が出来ると思う。

    device::uart_io<device::SAU02, device::SAU03, 128, 128> uart1_io_;
    device::uart_io<device::SAU10, device::SAU11, 128, 128> uart2_io_;

UART の簡単なテスト

IMG_0800s

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フラッシュへのプログラムと、UARTとの通信では、共に、RxD,TxDなどを
使う、これらの切り替えを出来るように、2回路のスイッチを設けて、書き込み回路
もテスト基板に追加した。
※書き込み器は、デバイスの「/RESET」信号を制御するので、「RTS」信号を必要とす
る。

RL78_Flash_UART

RL78/G13のミラー領域

UARTの実装を行っている過程で、文字列を出力する簡単なプログラムが、思ったよう
に動作しないで、随分悩んだ・・・

調べると、ミラー領域に関する認識が甘かったようで、データフラッシュ領域と当たって
いた事が判った。

8/16ビットマイコンでは、ポインターは16ビットサイズで、基本64キロバイトの
領域しかダイナミックにアクセス出来ない。

RL78では、物理的なメモリー空間は1Mバイト(64Kが16ページ)ある。
プログラム領域は、0番地から始まり、128Kバイト品(R5F100LGAFB)の場合、
0x1FFFFまで使える。

RAM領域は、128キロバイト品の場合、12キロバイトあり、0xFCF00から
始まる。

データフラッシュは128キロバイト品の場合、8キロバイトあり、0xF1000
から0xF2FFFまである。
※64キロバイト品では、半分の4キロバイト

RL78のgccでは、R/Wアクセスする領域は、常に0xF0000~
0xFFFFFをベースとしていて、RAM領域をベースにアクセスするようになって
いる。
ここで問題になるのが、プログラム領域に置かれた読み出し専用データのアクセスとなる。
RL78では、「ミラー領域」を使ってこれを解決していて、RAM領域、
データフラッシュ領域以外は、ROM領域のアクセスと同等となる
仕組みがある。

ここで、以前に修正したリンカースクリプトが問題となった・・・

 .rodata (MAX(__romdatastart + __romdatacopysize, 0x2000)) : {

この「0x2000」のオフセットが何なのか、判ってなかった為、これを無効
(0x0000)としていた・・・
※0x2000の領域が「空く」のは勿体無い・・

当然、「0x0000」にすると、文字列データは、先頭から配置される為、テストして
いたプログラムでは、0x2000以下の領域に配置される、ミラー領域では、このエリ
アは、データフラッシュ領域の為、0xF1000~0xF1FFFがアクセスされてい
た。
それには、途中で気がついて、オフセットを0x2000に戻したが、それでも、直らな
い、良く調べると、128KB品は、データフラッシュが倍の8Kバイトあり、
0xF1000~0xF2FFFまでとなっていた。
そこで、オフセットを「0x3000」とする事で、解決した。

 .rodata (MAX(__romdatastart + __romdatacopysize, 0x3000)) : {

※リンカースクリプトは修正済みでプッシュしてある。

つまり文字列などの固定データは、0x3000以降、0xCF00までに置く必要があ
る。
まぁ、このくらいの領域があれば、当面困る事は無いと思われる。

先頭の空いた領域には、「.lowtext」セクションが割り当ててあるので、ここには、割り込
みルーチンなどを優先的に配置するのが良さそうだと思う。
※割り込みルーチンは、ベクターが16ビット固定なので、必ず64K以内に配置する必要
がある。

また、64K以降のエリアへは、「__far」を使う事で、ポインターを32ビット扱いとして
アクセスする事も出来るが、C++ ではこのキーワードを上手く扱えないようで、悩んでる。
※とりあえず、Cの関数だけで操作するしか無い。

Cの関数宣言では、ポインターが32ビット扱いになり、逆アセンブルリストを観た感じでは
ESレジスター付き20ビットでアクセスするコードになっている。

「コード」の呼び出しは、20ビット対応の「call」命令が使われているので、全域に対して
アクセスでき、64Kの壁を意識する必要は無いようだ。

 12c:   fc be 32 00        call    !!32be <_main>

※コードが64Kを超えて伸びていっても問題は無いと思われる。

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RL78は、Z80のようだと思ったら、実際Z80(78K0)がベースのようだwww

※昔、ゲームボーイのプログラムで、Z80のアセンブラを随分扱ったので、馴染みがある。
でも、32MHzで動くZ80となると、かなり話が違う。

プログラムでプログラムを生成する

最近、RL78用のデバイス定義ファイル生成用のプログラムを実装している。

sed、grep、awk、perl、などなど、スクリプトを駆使しても良いが、C++ では、
文字列の処理もかなり、柔軟に書けるので、制限が多いスクリプトはあまり使わ
なくなった。

基本的な流れとしては、必要最低限の表現で記述された定義ファイルを読み込ん
で、それから、C++ のコードを生成するもの。
もう一つは、テキスト化されたファイル(元は PDF )から、フィルターを駆使し
て、必要な部分を抜き出して、定義ファイルを作成する事。

しかし、PDF をテキスト化する過程の制限や、キーワードを自動で「抜く」のは難
しい事が判った。
この部分は、しばらくは手作業で行う事になる・・・
また、RL78、M32C、RX のハードウェアーマニュアルの違いで、一律では出来ない。

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それでも、以前に比べれば、冗長な記述を長い時間をかけて、だらだら書くのに比べ
れば、非常に軽減され、ミスも少なくなった。
そして、構成を変えるのも苦にならない、単純に、プログラムを修正して作りなおす
だけなので。

定義ファイルは、JSON とか使えば良いだろうと思うかもしれないが、以前から、もっ
と軽量な物を模索していたので、一度、自分で書いてみる事にした。
もちろん、XML は、史上最悪なフォーマットである事は言うまでもない、これを有難が
る人がいる事に、驚くばかりである、疫病のように世間に広まってしまっているけど・・

実装してみると、以外と奥が深く、色々な書き方に柔軟に対応するのは難しい事が判っ
た。
以前に、自分のアプリ用にプリファレンスを読み書きするクラスを書いたけど、これは、
人間が編集する事を前提としていないのと、構造が今回とは違う物なので、採用しなか
った。

定義ファイルはこんな感じで書く:

base {
    .title     "RL78/G13 グループ・ポート・レジスター定義",
               "Copyright 2016 Kunihito Hiramatsu"
    .author    "平松邦仁 (hira@rvf-rc45.net)"
    .file      "common/io_utils.hpp"
    .space     "device"
}

reg {
    .title     "クロック動作モード制御レジスタ(CMC)",
               "リセット時:00H"
    .base      "rw8_t"
    .address   "0xFFFA0"
    .name      "CMC"

    bit {
        .title  "高速システム・クロック端子の動作モード"
        .def    7, 1
        .name   EXCLK
    }
}

変換すると、以下のように C++ コードを作る~

#pragma once
//=====================================================================//
/*! @file
    @brief  RL78/G13 グループ・ポート・レジスター定義 @n
            Copyright 2016 Kunihito Hiramatsu
    @author 平松邦仁 (hira@rvf-rc45.net)
*/
//=====================================================================//
#include "common/io_utils.hpp"

namespace device {

    /// @brief CMC レジスタ定義
    typedef rw8_t<0xFFFA0> cmc_rw;
    //+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++//
    /*!
        @brief  クロック動作モード制御レジスタ(CMC) @n
                リセット時:00H
    */
    //+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++//
    struct cmc_rw_t : public cmc_rw {
        using cmc_rw::operator =;
        using cmc_rw::operator ();
        using cmc_rw::operator |=;
        using cmc_rw::operator &=;

        bit_rw_t<cmc_rw, 7> EXCLK;    ///< 高速システム・クロック端子の動作モード
    };
    static cmc_rw_t CMC;
}

これらの処理を簡潔に行う為に、色々なユーティリティ-を実装したが、その一つが、
「text_edit」クラスで、この実装で、エディターで行うような操作をプログラムから
行う事が出来るようになった。
まだ、通常のエディターが備えている機能には程遠いので、これから、ボチボチ機能を
追加したい。
この実装、設計は、なかなか楽しい!

これらソースコード一式は、GitHub にある。
iod_make

RL78/G13スタートアップルーチンと起動テスト

フラッシュへの書き込みプログラムを先に作ろうと思ったけど、まず、動かしてみない
事には始まらない~

gcc はビルドしてあるので、スタートアップルーチンを作って起動するまでの道を作る。

(1)まず、リンカースクリプトを精査する。

/usr/local/rl78-elf/rl78-elf/lib/rl78.ld

を雛形にして改造すれば良さそうだ~
※標準のリンカースクリプトは、RL78/G13 (Flash:64K / RAM:4K) 仕様のようだ。
このリンカースクリプトを参考に、4つのデバイス用を作成
※オリジナルでは、0x0000 ~ 0x1FFF までは、開発用のブート領域のようで、使わない
ので、それを無効にした。

    .rodata (MAX(__romdatastart + __romdatacopysize, 0x2000)) : {

    .rodata (MAX(__romdatastart + __romdatacopysize, 0x0000)) : {

追記:
この0x2000は、ミラー領域内で、データフラッシュ領域をバイパスするオフセットで、
重要な事が判明、又、128KB、256KB品では、データフラッシュ領域は、倍なので、
オフセットを0x3000にする必要がある・・

※「ミラー領域」の事が良く判ってなかった・・・

また、ハードウェアーベクターセクションに多少の問題がある。

  .vec :
  {
    *(.vec)
  } > VEC

通常、ハードウェアーベクターはソフトウェアーからは参照されないので、何もしないと、
最適化で、省かれてしまう・・・

  .vec :
  {
    KEEP(*(.vec))
  } > VEC

そこで、「KEEP」キーワードで囲む必要がある。
※「ivec」(割り込みベクターテーブル)も同じ。

また、各種デバイス用に、ROM、RAM の開始アドレス、長さなど設定して、4つのデバイス用
リンカースクリプトを作成した。

R5F100LCAFB:   32K (0x00000 - 0x07FFF) /  2K (0xFF700 - 0xFFEFF) / 4K (0xF1000 - 0xF1FFF)
R5F100LEAFB:   64K (0x00000 - 0x0FFFF) /  4K (0xFEF00 - 0xFFEFF) / 4K (0xF1000 - 0xF1FFF)
R5F100LGAFB:  128K (0x00000 - 0x1FFFF) / 12K (0xFCF00 - 0xFFEFF) / 8K (0xF1000 - 0xF2FFF)
R5F100LJAFB:  256K (0x00000 - 0x3FFFF) / 20K (0xFAF00 - 0xFFEFF) / 8K (0xF1000 - 0xF2FFF)

RL78/G13リンカースクリプト
※データフラッシュ領域は記述が無いので、何らかの対応を行う必要があると思う。

(2)次にスタートアップルーチン
今までは、独自に、スタックをセットするとか、アセンブラで書いたのだけど、ライブラリー
に含まれる標準のスタートアップオブジェクト「crt0.o」を、objdump でアセンブルソースを
出力して、参考にする方法が確実で簡単な事が判った。

rl78-elf-objdump -h -S crt0.o > crt0.lst

※これなら、まねるだけなので、アセンブラを詳細に理解する必要がほぼ無い。
※最低限の知識は必要だが、手本があれば、非常に簡単だ。
「crt0.o」は、以下の構成のようだ。

・ハードウェアースタックの設定
※スタックの開始アドレスは、リンカースクリプトで指定されたラベルを使う、また、
スタックの深さは、リンカースクリプトで指示する。(通常は、RAM 領域の最後から取る)
・ROM 領域から RAM 領域への転送
※定数などを読み書き可能な変数として設定している場合は、変数はRAM上に配置されるの
で、初期値をコピーしておく必要がある。
・.bss セクションのクリア
・C++ コンストラクター呼び出し
※rl78_run_preinit_array()、rl78_run_init_array()、rl78_run_fini_array()
※C++ では、main が始まる前にコンストラクターを走らせて、初期化しておく必要性がある。
・init 関数呼び出し
・main 関数呼び出し
・exit 関数呼び出し

とりあえず、適等に切り貼りして、「start.s」を作成。
呼び出し部は、「init.c」で実行。
最後に、リセットベクターに、start.sの開始アドレスを指示する必要がある。「vect.c」

const void* vec_[] __attribute__ ((section (".vec"))) = {
    start,
};

これで、全て準備が整った、後は、自分のプログラムをコンパイルして、先に作ったプログラムを
リンクするだけで起動するはず。

-nostartfiles    ----->    標準のスタートファイルを使わない
-T xxxxx    ----->    xxxxx のリンカースクリプトを使う

リンカーオプションでは、以上の二つが重要となる。

(3)LED点滅を書いて、実行してみる・・
以上で、main 関数が実行される準備が整った。
今回、LEDを接続するポートとして、P43を使った。
最初、LEDは点灯したままだったが、無効ループが短すぎたようだ、そこで、以下のように無効
ループの回数を増やした。
※「int」型は16ビットなので、「uint32_t」を使った。

int main(int argc, char* argv[])
{
    device::PM4.B3 = 0;  // output

    bool f = false;
    while(1) {
        for(uint32_t i = 0; i < 100000; ++i) {
	    asm("nop");
        }
        device::P4.B3 = f;
        f = !f;
    }
}

※無効ループ内では、「asm("nop")」を実行する、そうしないと最適化で、ループ自体が無くな
ってしまう。

これで、無事にLEDの点滅まで出来た。

プロジェクト全体のソースコードは、GitHub に全てある、

  cd FIRST_test
  make

で、実行バイナリー、「first_sample.mot」が出来るので、これを、「Flash Programmer」でデバイス
に書き込む。
※書き込み後、リセットが有効になっているので、書き込み機のリセットラインをオフラインにする
必要がある。

IMG_0798s