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俺俺フレームワークのWindowsへの対応

OS-X 対応で、Windows はまぁとりあえずスルーしても良いかなぁーって思ったけど、やっぱり折角動くもんなら、
少しの労力でマルチプラットホームになる事だしサポートしようと思い、少しばかり修正した。

MSYS の Mingw 環境では、C++11 の thread 関係 API をサポートしていない。
そこで、それら API を使わないように修正をするだけの事で、Mac、Windows 両対応となった。

内部ソースには、機種依存の条件分岐が色々あるのだが、それらは、今後少しづつ無くしていき、クリーンな状態
へ移行する。

以前のブログで、Mingw 環境の構築を少しだけ載せたけど、新しいフレームワークでは、Mac 対応で、少しばかり
環境を更新したので、その辺りを少し解説しておく。

(1) MP3 タグ情報ライブラリー
以前のシステムでは、tag 情報を取得するライブラリーとして、id3tag ライブラリーを使っていて、機能的にどう
しても不足していた部分やバグを修正して使っていたのだけど、色々探したけど、修正したソースが無い事が判った・・
そこで、少し探して、簡単に使えそうなライブラリーとして、taglib を検討してみた、ソースは C++ なんだけど、
かなり、昔の C++ って感じで、イマイチ感があったけど、他の候補を色々探して、検討するのも時間がかかりそう
なので、とりあえず、このライブラリーを使わせてもらう事にして、実装した。
なので、Windows でも、このライブラリーをコンパイルしてインストールする必要がある。
※taglib-1.9.1 を使った。

(2) OpenJPEG ライブラリー
macport でインストールした OpenJPEG ライブラリーは 2.1 で、API も少し違う為、Windows も 2.1 にアップ
デートした。

(3) JPEG ライブラリー
macport では、MMX で高速化した JPEG ライブラリーとして、libjpeg-turbo がある、またこのライブラリーは
若干の拡張がしてある。(Alpha チャネルを扱える)
そこで、Windows でもこのライブラリーを使いたいのだけど、コンパイルする為に、nasm が必要で、インストール
が複雑になるので、とりあえず、Windows では以前のライブラリーを使う事にした。
※アルファ付き画像をセーブした場合、アルファチャネルは無くなる。

(4) Makefile の改修
Windows では、Makefile を共有する事が難しい為、Makefile.win と別にした。
※この辺りも、cmake を使うとか、今後工夫が必要と思う。

以上の対応で、音楽プレイヤーは同等の動作をするようになった。

※最新版ソースコードは GitHub に push してある。

俺俺 RX マイコンボードを作ろう!(その1)

最近は、フルタイムで仕事をしている関係で、趣味の時間が凄く制限されていたのだが、仕事もだいぶ安定してきて、趣味の時間を持てるようになってきた。
それと、「この暑さ」、休みの多くは、ファミレスにノートを持ち込んで、主にソフトの制作などを行っていた。
最近、少し暑さも和らいだので、ハードの作業もしようかと思案していたら、秋月で良い物を見つけた。

128Mbits SDRAM 133MHz
まぁ、別にそんな珍しい物でも無いけど、デバイスを単体で扱っているのは珍しい、数個単位で買えるのはありがたい。
※多分、秋月で、SDRAMが乗ったマイコンボードでも出るのだと思う。

そして、マルツパーツで 176ピン、フラットパッケージ版 RX63N が単体で買える事が判ったのが最後の一押しとなった。

「176ピン、フラットパッケージ」は重要。
・0.5mm ピッチなので、ギリギリ、手ハンダができる。
・32ビットバスでSDRAMを接続出来る。(フルスピードで動かしても、性能があまり落ちない)
・内蔵 RTC のバックアップが出来る。
・外部バスを使っても、残りの空いたピンはかなり潤沢で、色々活用出来る。

そして、前から、RX マイコンの大容量メモリーを積んだボードが欲しかった。
・開発の効率などを考えると、プログラムをRAMに転送して実行したい。
・RX マイコン用の LLVM を作ってみたい、それには、ある程度メモリーが潤沢に使えるボードが必要。
・組み込み機器でも、メモリーが潤沢に使える環境が欲しい。
※大容量メモリーが無いと、画像ファイルなどを扱うのが難しい。
・PC 用フレームワークのソースコードをそのまま利用したい。
・安いボードじゃないと、色々な物に使う気になれない。
※「なひたふ」さんとこで、究極の RX62N ボードを扱っているのだけど、値段が高くて手が出せない。
※構成的には、同じようなものになってしまうのだけど・・・

他にも色々な動機がある〜

もうそろそろ、RX64M シリーズが流通しそうな感じなのだが、KiCAD を使ってボードも作ってみたかったので、汎用的で、応用が効く俺俺ボードを自分で作ってみる事にした。

とりあえず、構成はこんな感じにする予定〜
・RX63N(R5F563NEDDFC#V0)176 ピンパッケージ(内蔵、256K RAM、2048K Flash)
・内蔵 RTC 用外部バッテリーバックアップ
・128M ビット SDRAM x 2、32ビットバス接続(32Mバイト)
・10/100 インサーネット(PHY層: LAN8720AI)※別モジュールにするかも・・
・マイクロSDカードインターフェース
・リチウムイオン/ポリマー、充電コントローラーと DC/DC コンバーター
・A/D 入力用バッファアンプと電圧リファレンスなど
・オーディオインターフェース(VS1053B)
・USB インターフェース(2チャンネル分)
・未使用ポート用ピンヘッダー
・J-TAGコネクター
ちょっと盛り過ぎな感じもするのだが、使わない物は載せなければ良いと思うので・・・
※完成したら、ボード単体で販売する予定(時価)だが、欲しい人は少ないかもしれないねwww
※SDRAM は、@300なので、2個載せても600円、しかも32Mバイトの空間を使えるのは便利

そもそも、R-PiやBBBが5千円くらいで買える現実を考えると、0.1GHz程度のマイコンなんてと思うのだが、OSが無く、電源投入で、いきなりアプリを動かせ、電源をいきなり切れるような、組み込みの用途は必要だと感じているし、0.1GHzで十分な用途はけっこう多い。
またLinuxベースで、ハードウェアーに依存した細かい制御を書くのは、面倒でもあるし、リアルタイム的な制御が難しい場合もある。
※内蔵カウンターを使ったタイマーや、PWM 出力、割り込み制御など。

別の動機として、販売されている組み込み用ワンボードマイコンが高価過ぎるのも問題と思う。
趣味では無く、会社の形態として販売する場合、あのような値段になる事は理解出来るので、自分で作るしか無い。
イニシャルコストはかかるのだが、3枚、同じボードを使う事を考えたら、作った方が安い事になる。
※この場合、制作に関わる人件費を計上してないのだけどwww

まず、マルツパーツで、R5F563NEDDFC#V0(RX63N, Flash: 2MB, RAM: 128K) を注文した、1912円もしたけど、数個単位で買えるのはありがたい。
数日で、物は届いたのだが、梱包が微妙、足が曲がっている感じがする・・・
とりあえず、交換の手配をメールで問い合わせたのだが、写真を送って欲しいとある。
0.5mm ピッチだと、ルーペで拡大しても、何とも言えないのだが、梱包のやり方に難があるように思う。

IMG_0658s

導電スポンジにチップを載せた状態で、ラップして内部の空気を抜いてあるのだが、空気を抜く事でスポンジが縮み、ピンにストレスがかかっていて、反っているじゃないかと思う。
ラップを破れば、空気が入って、反りは戻るかもしれないが、微妙に反った状態になるかもしれず、非常に微妙・・・
普通は、もっと安全確実な方法で梱包すると思うのだが、デリケートな品物だけに、強引すぎると思う。
※以前に RX63T を注文した時は、こんな強引な梱包をしてこなかった。

「ピンが曲がっていたら交換してくれる」と言う事なので、意を決して、パッケージを開けてみたー
ピンが曲がっていたと思えたのは、ピンが導電スポンジにめり込んでいる為だったようで、購入した3個、全て問題無かった。
でも、もっと「やんわり」梱包する方法はあるハズで、そこは改善して欲しいとこ。

早速、変換基板にハンダ付けしてみた。
※変換基板は、今まではダイセン製を好んで使っていたが、秋月で良さそうな物を売っていたので購入してみた、値段は安いけど、品質は満足のいく代物。
やっぱ、0.5mmピッチは厳しいなぁー、176ピンもあるので大変、それと、ハンダコテの温度設定が低くなってて、難儀した。
ハンダ吸い取り線による、ブリッジの除去も、温度が低かったせいか、難儀した・・・

IMG_0664s

ルーペで拡大して、念入りに確認したので、まぁ、大体大丈夫と思う、多少怪しい部分もあるのだけど・・・

追記:(2014年9月21日)
この変換基板、重大な問題がある事が判りましたー、まぁ176ピンの変換基板を使う人は限られると思いますが・・

IMG_0665s

↑写真で判るように、縦と横のピンヘッダー取り付け部分のグリッドが 2.54mm ピッチでは無く、そのままでは、一般的な
蛇の目基板に取り付け出来ません・・・

※twitterでツイートしたら沢山の方にリツイートしてもらいました・・・
※秋月には、報告しません、どうせしても無駄だから・・・、以前にSDカードモジュールの結線ミスに気がついて、報告しましたが、
何の返信もありませんし、商品のQ&Aに情報が共有される事もなく無視されました、なので、今回は何もしません。
秋月は、商品の価格が安く、それゆえ、自作をするものにはメリットが大きいし、利用している人は多いのですが、
アフターケアに関しては、全く駄目なように思います、それを判った上で最大限利用するしかありません。
※現在は、ピッチがズレている事が明記されているようです。

※以前に秋月にメールした全文

お疲れ様です。

K-05818「SDカードスロットDIP化モジュール」について
参考資料で、CD(Card Detect)となっている信号は、ライトプロテクト信号のようです。
この商品に使われているソケットは、「Card Detect」用の端子がありますが、(4番)、GND(5番)とショートされており、使う事が出来ない仕様となっています。
カッターなどで、パターンを切って、(4番)を引き出すと、「Card Detect」として使う事ができました。
Q&A等に、情報として記入する事をお勧めしたいです。

それでは宜しくお願いします。

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普通は、いきなり基板を設計するかもしれないが、個人制作なので、とりあえず、ユニバーサル基板で、試作してみる事にする。
まぁ時間はかかるけど、作って動かしてみないと判らない事も多くあるのではと思う。

C++11 future の実装依存?

C++11 では標準ライブラリーでスレッド関係の API が用意されている。

future テンプレートクラスは、お手軽に、平行処理で結果を受け取る方法としてコンビニエンスなやり方だ。

std::string task_(const std::string in)
{
    std::string text;

    // 何かの処理・・・

    return text;
}

std::string in;

std::future<std::string> f = std::async(std::launch::async, task_, in);

こんな感じで、簡単に実行委譲が出来る。

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最近、俺俺フレームワーク内で、音楽ファイルのタグ情報を future を使って取得する実装を書いた。
しかしながら、思ったようには動作せず、色々調べたり、実験を行った。

結論を言うと、これは、OS-X、clang の C++11 ライブラリーに起因した問題のように思う。

症状としては:
・メインプログラムから、future を使って、タスクを起動しても、メインプログラムが全然軽くならない・・・
※ future で起動したタスクは、メインプログラムの負荷として加算される感じ。
・フラグがあって、それで「別スレッド」を指定してもだ・・( std::async::lanuch )
※ Android でも試したが、そもそも「別スレッド」を指定出来ない(コンパイルエラーとなる)ので、これは正しい動作なのかもしれない。
※これは clang3.4 で使っているライブラリーの問題なのかもしれないが、情報は探せなかった。
※ Windows の gcc や clang では、C++11 thread API 関係が実装されていない事と何か関係がありそうだー

結局、pthread を使って、やりたい事は出来たのだが、「future 便利だー」って盛り上がってたのに・・
何ともかんとも・・・
※ C++11 にも thread 関係があるのだけど、future で懲りたので、あえて、pthread を使った、pthread でもそんなに複雑化せずに平行処理を書ける。
ただし、future を使った場合と比べると実装量は増えるが、厳密な処理負荷は、少ないだろう。
もうしばらくしたら、C++11 の thread を本格運用して試す事とする・・
※石橋を叩いて渡る〜

OS-X でC++アプリケーション(GLFW3)

BqNTjU-CEAArsW9

今まで、自分で細々と作っているフレームワークはGLFW3をベースにしているものの、Windows 環境しかテストしていなかった。
MacBook Pro を買ったので、Mac に対応させるべく作業をした。
最近はフルタイムで仕事をしているので、自分のプログラミングは時間が限られる、最近ようやく、Windows 版と遜色なく動作するようになったので、要点をまとめてみたい、同じような事をしている人に参考になればと思う。

・カレントディレクトリーの扱いが違う。
アプリケーションが動作しているカレントディレクトリーの、挙動が異なるようだ。
Mac(unix) では基本的に、コンソールから起動した場合と、finder などから起動した場合で、main 関数のパラメーター「argv[0]」に入ってくるパスが異なる。
unix では、アプリケーションのカレントディレクトリーの管理は、シェルが行っており、シェルから起動しない場合を想定しておく必要がある。

Windows では、アプリを起動させたパスをカレントパスとして設定している。

良く、アプリを置いたパスに初期に読み込むファイルなどを置いておく事があるけど、何らかの方法で、相対パスから絶対パスを生成する必要がある。
自分は、「argv[0]」にアプリケーションの起動パスがあるので、それを使って何とかした。
※また、シェルから起動した場合は、argv[0]には、「./xxxx」など、シェルのコマンドラインがそのまま反映されるだけなので、「getcwd」APIなどで、カレントディレクトリーを取得する必要がある。
しかしながら、「getcwd」は、シェルから起動しないと正しいパスを返さないようだ。

・ランタイムライブラリー(要するに DLL、unix 的にはシェアードライブラリー?)
OS-X では、コンパイル時のライブラリーのリンクが固定していて、実行バイナリーを他の環境に持って行く場合には、ライブラリーを期待した場所に置いておく必要がある。(これは設定ファイルで変えられるかもしれないが調べていない)
俺俺フレームワークでは、色々なオープンソースを使っているのだけど、OS-X ではコンソールからコンパイルしてインストールすのが、比較的楽なので、問題は少ないかもしれない。

・システムフォントのパス
当然だけど、OS-X では、フォントパスが違うので、それを対応する必要がある。
ちなみに

/System/Library/Fonts

となる、標準的日本語フォントは

ヒラギノ角ゴ ProN W3.otf

を使っている。

・コンソールの扱い
Windows(mingw)では、リンカーのオプションに「-m window」があり、コマンド起動後にコンソールを表示して、stdout や stderr の表示をするなどに対応出来るけど、OS-X では、必ずコンソールも起動してしまう。
コンソールが必要無い場合はどうするのか?、謎だったけど、色々調べたら、フォルダーで全体を管理するようだ、その際、アプリケーションのアイコンやら、何やら、色々な設定を「info.plist」の XML ファイルに記述する方法のようで、Windows のアプリケーションとは全く考えが違う。

・解像度に対しての対応
MacBook Pro riteina では、高解像度の液晶を使っている、解像度が高い為、見た目の大きさを揃える為には、Window の仮想サイズと、実際のサイズ(フレームバッファのサイズ)が異なり、それ相応の対処をしなければならない。
OpenGLでは、「glViewport」で指定するサイズは、実際の解像度ベースで指定して、プロジェクションマトリックスで指定する大きさは、仮想サイズで指定することになる。
仮想サイズは、実際のサイズの丁度半分となるようだけど、自由なサイズに対応しておく必要がありそうだ。

・スレッド
OS-X は pthread に対応との事だが、pthread の仕様を全て満足している訳では無く、使えるのは一部の API だけなので注意が必要だ、特に悲惨なのは、コンパイルは通るけど、API は何もしないで、エラーコードと共に素通りする。
※名前無しセマフォなど
※現状では、POSIX の API に完全に全て対応しているのは Linux カーネルのみなのかもしれない。
OS-X で pthread のプログラムを作成する場合には、注意して設計する必要がある。
boost や、C++11 の API を使うのが賢いかもしれない。
ただ、現状では、Mingw の環境では、C++11 でも、thread をサポートしていない為、マルチプラットホームでは、コードを共有出来ない。
※一方 Windows には、pthread_win32 ライブラリーがある為、pthread のプログラムを作成するのに、問題は少ない。

・OpenGL プログラムのスワップフレーム
OS-X では、OpenGL のプログラムを待機状態にしたり、他の Window で全て隠すと、スワップフレームが画面のリフレッシュと同期しなくなり素通りになる為、実質的に、描画ループが最高速で回り始める、そうすると、CPU の空き時間を全て食いつぶして負荷が100%に近くなる。
これは、色々調べたけど、「仕様」のようだ、そこで、この問題を回避する対策が必要だ。
自分のアプリケーションは、GLFW3 を介して、システムと繋がっている為、「待機状態」を検出する方法が無い為、別の方法で、この問題を回避した。
(1)16ミリ秒のタイマータスクを用意する。(usleep、nanosleep など)
※ OS-X の sleep 系は意外と正確なようだ。(Windows のタイマーが不正確すぎなのかもしれない)
(2)フレームの先頭で、先に用意したタスクをスレッドで起動する。(C++11 の future を利用した)
(3)スワップフレームの手前で、先のスレッドの終了を待つ。
この戦略は、フレームレートが 60Hz(16.677ミリ秒) の場合、タイマーが正確な場合を前提としている。
※オーバーヘッドが、0.677 ミリ秒より大きい場合は、待機時間を調整する必要がある。
※スレッドの追加で、システムの負荷が1〜2%増加する。(意外と重い)
※プログラムは、common/glcore.hpp, common/glcore.cpp を参照
※ Windows では、プログラムが待機状態になると、メインループは停止するので、回り続ける仕様自体は、歓迎されるべきなのかもしれない。
なので、Windows では、動かし続ける必要のあるタスクは、メインループに依存しないように設計する必要がある。

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OS-X は、実質 unix マシンなので、X-code を利用しなくても、コンソールとテキストエディターだけで、遜色無くアプリケーションを開発できて、非常に快適な事が判った。
コンソールは多国語対応で(当然日本語にも)、複雑な設定をする事なく、日本語をスマートに入力、表示出来る。
emacs もコンソールで起動でき、日本語入力にも対応している。
今まで食わず嫌いで、OS-X を使わなかったけど、まぁ、なかなか良い。

MacBook Pro を買う

以前に、Mac Mini を購入して、iPhone のソフトでも作ろうと思い色々やっていたけど、ある程度「俺俺フレームワーク」が動くようになってからは、Windows 環境に移って、放置していた。

ノートPCを新規に購入する時も、MacAir13 とかで悩んだけど、画面の解像度が低いのと、ビデオデバイスが、インテル内蔵でショボイので、敬遠して、NVIDIA のビデオデバイス内蔵で、薄くて軽い、ASUSのUltraBookを購入した。

知り合いに、「今時、Windows」などと言われて、「Mac が一番だと思ってるやつ」の心の狭さに、引いたー。

そんで、最近、仕事で Android のソフト開発をするようになったんだけど、Windows では、開発出来ない状況を経験だった、(みんな Mac を使っていた)。
これは、NDKで開発しているのだけど、C++ のソース数が異常に多くて(350ファイルくらいある)、Windows(cygwin) では、コマンドラインで受け付けるバッファがオーバーフローしてしまい、リンク出来ない。
※情けないぞ!

仕方無いので会社では Mac を使っていたが、たまたま、Mac のホームページを観にいったら、最近出た、インテルの新しい CPU を使い、Retina ディスプレイで、光学ドライブが無く、薄型で、軽い(1.57キロ)「MacBook Pro」が目に止まり、興味をそそられた。
会社で使っているのも Mac なので、ビデオデバイスが、インテルでショボイけど、ここらで、MacBook も欲しいなぁーと思い、ポチってしまった!
メモリーは、折角だから 16GB とかにしておいたが、かなりの高額な物になってしまったが仕方無い・・・

買って使ってみると、思いの他快適な事に少し驚いたが、何もかも Mac で完結する訳でも無いので、悪くは無いよねーって、少し強がってみる〜www

そんで良かったと思う事などー

・タッチパッドの操作性が凄く良い!
※UltraBook も少し見習うべき!
※このくらい操作性が良いと、普通の操作ではマウスは必要無いなぁー

・電池が凄く持つ!
※これは新しいインテルの CPU も貢献しているのかも。

・電池で動作させていても、電源を繋いでいる時とあまり変わらない操作性。
※よく出来ている〜

・基本 unix なんで、MinGW とかから違和感無く使え、ターミナル上で、emacs も普通に動く。

駄目なとこは・・・

・Windows にあって Mac に無いフリーソフトが結構あって、多少辛いとこもある。

・やはりシングルボタン系では厳しい場面がある。

・値段が少し高い。
※確かに、細かい部分の作り込みなど、非常に良く考えられていて、素晴らしい完成度なのだが、UltraBook とかの同列機から考えると、2割くらい割高だから、当たり前とも言えるか・・・

・ビデオデバイスが選べず、インテル内蔵のショボイまんま
※これは全体の構成を考えると、仕方無い部分もある、セカンダリーのデバイスを乗せると、電気も食うし、色々と考えなければならない事が多くある、セカンダリーのビデオデバイスを必要とする人も凄く少ないから、まぁしょうがないな・・・

そんなこんなで、結構快適に使ってますーwww

MacBook Pro 13 retina

次は、Windows で作っていた、「俺俺フレームワーク」を Mac に対応したので、次のブログで紹介したいと思います。

Makefile による別ディレクトリーへのオブジェクト、従属規則のセーブ

今まで、従属規則の生成には、X11 のコマンドであるところの「makedepend」を長らく使って来た、しかし、makedepend コマンドが無い場合(X11 関係アーカイブをインストールする必要がある)
や、コンパイラがインクルードファイルを検索する挙動とは多少違う場合もあったりしていた。
そこで、「gcc」の「-MM」オプションを使ってインクルードパスを収集する方法に切り替えた。
※このコンパイラーオプションは、コンパイラー自らのパスでインクルードファイルのフルパスを出力する、この時、「#if、#endif」などの制御文なども評価する。

通常、コンパイラーは、ソースコードと同じ場所にオブジェクトを生成する、ソースコードを共有して、複数のアプリケーションを作成すると、それでは、不具合が起こる場合もあり(コンパイラーオプションや、デバッグ、リリースビルドなど)、アプリケーション毎に、生成されたオブジェクトコードを管理したい。
そこで、生成オブジェクトを特定のディレクトリーに集中させるようにした。

また、複数のアプリケーションで Makefile の修正を最小限に出来るように、多少の工夫をしてみた。

Makefile の構文を学習しなおしたり、google 先生に教えてもらった make 関係のリンクを観たりで、自分の思ったような構成に出来たので紹介する。

ディレクトリーは以下のような構成にしている。

project:
    common:      ---> アプリケーション共通のソースコードを格納するディレクトリー
        ...:     ---> ソースモジュール毎のディレクトリー
            ...  ---> ソース郡
        ...:
            ...
        ...:
            ...
    xxxx:           ---> xxxx アプリケーションディレクトリー
        xxxx.cpp    ---> xxxx アプリケーション固有のソースコード
        Makefile    ---> xxxx アプリケーションの Makefile
    yyyy:           ---> yyyy アプリケーションディレクトリー
        yyyy.cpp
        Makefile

・各アプリケーションで共通するソースコード郡を「common」ディレクトリーに配置している。
・アプリケーションは、専用ディレクトリーを設けて、そこで、生成された二次ファイルを格納する。
※通常、「release」、「debug」のどちらか

一番のキモは、-MM コマンドの仕様で痛い部分を回避する為の小細工で、以下のリンクを参考にした。
※スイマセン、殆ど同じような物です、VPATH の指定が追加されたくらいです。

Makefile 別ディレクトリに中間ファイル & 自動依存関係設定

この問題は、オブジェクトファイルのパスがフルパスにならない点で、これを改善する為、sed による整形を使って、回避している。
リンクの sed スクリプトでは、「.o」のマッチングが不十分で、特定のファイル名の組み合わせなどで整形を失敗する、そこで、適切に修正した。
「\.o:」「.」を「\.」にする事で、正確に「.」(ピリオド)にマッチするようになる、また、一応、セパレーター「:」を追加して、厳密にマッチするようにしてある。
※詳しくは sed の仕様、-MM の説明を参照の事

「VPATH」を指定すると、make が、ファイルを検索するルートを指定出来るので、関係ソースコードを羅列する部分がスッキリする。

・以下の例は、アプリケーション「player」の Makefile です。
・「TARGET」アプリケーション名(Windows では .exe を追加する)
・「ICON_RC」アプリケーションアイコン指定がある場合、リソースの記述を行う
icon.rcの例

EXE_ICON ICON res/player.ico

・「BUILD」ビルドディレクトリー(debug、又は、release)
※従属規則 *.d 、とオブジェクトファイル *.o が格納される。
・「VPATH」共有ソースコードのルートディレクトリー
・「CSOURCES」C 言語ソースコードのリスト
・「PSOURCES」C++ 言語ソースコードのリスト
・「STDLIBS」標準的ライブラリーのリスト
・「OPTLIBS」オプションライブラリーのリスト
・「INC_SYS」システム系のインクルードパス
・「INC_LIB」ローカルライブラリーのインクルードパス
※従属規則に含まれない
・「PINC_APP」C++ 言語用、インクルードパス
・「CINC_APP」C 言語用、インクルードパス
※従属規則に含まれる
・「LIBDIR」ローカルライブラリーオブジェクトのリンクパス

# Makefile
TARGET    = player.exe

ICON_RC   = icon.rc

# 'debug' or 'release'
BUILD     = release

VPATH     = ../common

CSOURCES  = minizip/ioapi.c \
            minizip/unzip.c

PSOURCES  = main.cpp \
            player.cpp \
            core/glcore.cpp \
.....

STDLIBS    =
OPTLIBS    =    glfw3 glew32 opengl32 glu32 gdi32 imm32 \
                pthread \
                openal winmm dsound \
                png16 jpeg_x86 openjp2 \
                freetype \
                id3tag \
                z \
                mad \
                faad mp4ff

INC_SYS     =    /usr/local/boost_1_54_0

INC_LIB	    =    /usr/local/include \
                 /usr/local/include/libpng16 \
                 /usr/local/include/libjpeg_x86 \
                 /usr/local/include/openjpeg-2.0 \
                 /usr/local/include/freetype2

PINC_APP    =   . ../common
CINC_APP    =   . ../common
LIBDIR      =   /usr/local/lib

INC_S   =    $(addprefix -I, $(INC_SYS))
INC_L   =    $(addprefix -I, $(INC_LIB))
INC_P   =    $(addprefix -I, $(PINC_APP))
INC_C   =    $(addprefix -I, $(CINC_APP))
CINCS   =    $(INC_S) $(INC_L) $(INC_C)
PINCS   =    $(INC_S) $(INC_L) $(INC_P)
LIBS    =    $(addprefix -L, $(LIBDIR))
LIBN    =    $(addprefix -l, $(STDLIBS))
LIBN   +=    $(addprefix -l, $(OPTLIBS))

#
# Compiler, Linker Options, Resource_compiler
#
CP      =    g++
CC      =    gcc
LK      =    g++
RC      =    windres

POPT    =   -O2 -std=gnu++11
COPT    =   -O2
LOPT    =

PFLAGS  =   -DWIN32 -DHAVE_STDINT_H
CFLAGS  =   -DWIN32

ifeq ($(BUILD),debug)
    POPT += -g
    COPT += -g
    PFLAGS += -DDEBUG
    CFLAGS += -DDEBUG
endif

ifeq ($(BUILD),release)
    PFLAGS += -DNDEBUG
    CFLAGS += -DNDEBUG
endif

# 	-static-libgcc -static-libstdc++
LFLAGS	=

# -Wuninitialized -Wunused -Werror -Wshadow
CCWARN	= -Wimplicit -Wreturn-type -Wswitch \
          -Wformat
CPPWARN	= -Wall

OBJECTS	= $(addprefix $(BUILD)/,$(patsubst %.cpp,%.o,$(PSOURCES))) \
          $(addprefix $(BUILD)/,$(patsubst %.c,%.o,$(CSOURCES)))
DEPENDS = $(patsubst %.o,%.d, $(OBJECTS))

ifdef ICON_RC
    ICON_OBJ = $(addprefix $(BUILD)/,$(patsubst %.rc,%.o,$(ICON_RC)))
endif

.PHONY: all clean
.SUFFIXES :
.SUFFIXES : .rc .hpp .h .c .cpp .o

all: $(BUILD) $(TARGET)

$(TARGET): $(OBJECTS) $(ICON_OBJ) Makefile
    $(LK) $(LFLAGS) $(LIBS) $(OBJECTS) $(ICON_OBJ) $(LIBN) -o $(TARGET)

$(BUILD)/%.o : %.c
    mkdir -p $(dir $@); \
    $(CC) -c $(COPT) $(CFLAGS) $(CINCS) $(CCWARN) -o $@

lt;

$(BUILD)/%.o : %.cpp
mkdir -p $(dir $@); \
$(CP) -c $(POPT) $(PFLAGS) $(PINCS) $(CPWARN) -o $@


lt;

$(ICON_OBJ): $(ICON_RC)
$(RC) -i


lt; -o $@

$(BUILD)/%.d : %.c
mkdir -p $(dir $@); \
$(CC) -MM -DDEPEND_ESCAPE $(COPT) $(CFLAGS) $(INC_C)


lt; \
| sed 's/$(notdir $*)\.o:/$(subst /,\/,$(patsubst %.d,%.o,$@) $@):/' > $@ ; \
[ -s $@ ] || rm -f $@

$(BUILD)/%.d : %.cpp
mkdir -p $(dir $@); \
$(CP) -MM -DDEPEND_ESCAPE $(POPT) $(PFLAGS) $(INC_P)


lt; \
| sed 's/$(notdir $*)\.o:/$(subst /,\/,$(patsubst %.d,%.o,$@) $@):/' > $@ ; \
[ -s $@ ] || rm -f $@

run:
./$(TARGET)

clean:
rm -rf $(BUILD) $(TARGET)

clean_depend:
rm -f $(DEPENDS)

dllname:
objdump -p $(TARGET) | grep "DLL Name"

tarball:
tar cfvz $(subst .exe,,$(TARGET))_$(shell date +%Y%m%d%H).tgz \
*.[hc]pp Makefile ../common/*/*.[hc]pp ../common/*/*.[hc]

bin_zip:
$(LK) $(LFLAGS) $(LIBS) $(OBJECTS) icon.o $(LIBN) -mwindows -o $(TARGET)
rm -f $(subst .exe,,$(TARGET))_$(shell date +%Y%m%d%H)_bin.zip
zip $(subst .exe,,$(TARGET))_$(shell date +%Y%m%d%H)_bin.zip *.exe *.dll res/*.*

-include $(DEPENDS)

完全な Makefile は Github にプシュした!

C 言語よりお得な C++ その10

以前に、std::iostream に代わる小規模なクラスの紹介をしました。
その中で、std::iostream に馴染めなくて、printf 形式が忘れられない人の為に、「boost::format.hpp」を紹介しました。
しかしながら、「boost::format.hpp」は、std::iostream に依存している為、そのままでは、結局リソースを大量に消費してしまい、小規模な組み込みマイコンでは使えません。
そこで、機能を絞った簡易的な format クラスに相当する物を実装してみましたので紹介します。
※機能が足りなければ、自分で拡張する事も出来ると思います。
※本家では、エラーの場合は、例外がスローされますが、それでは使いにくいと思い、エラー関数クラスでハンドリングするようにしています。
※「例外」をスローさせたい場合は、エラー関数から、例外を投げれば良いと思います。
※組み込みマイコン向けに、A/D 変換などの値(整数)を、10進表示する場合に小数点位置を指定して、それを簡単に表示できるようなフォーマットも用意しました。

このように使います。

    int x = 1095;
    int y = 123;
    utils::format<output>("Pos: %d, %d\n") % x % y;

Pos: 1095, 123

    int adv = 257;
    utils::format<output>("A/D Ch0: %2.4:8y\n") % adv;

/// 2.4 ---> 実数2桁、小数4桁。
/// :8 ---> 小数点以下8ビットとして扱う。

A/D Ch0:  1.0039

ここで「output」は、文字の出力クラスで、以下のような定義を行います。
struct output {
    void operator() (char ch) {
        serial_out_(ch);  ///< ターミナルへ文字出力
    }
};
「operator()」を定義する事で、以下のように関数オブジェクトとして使えます。
    output o;
    o('a');    ///< 'a' を出力
    o('\n');   ///< 改行を出力
※「operator()」を「public」にする為、あえて、「struct」としています。

さて、実際の実装ですが、まず format の設計方針を決めます。
・名前空間を「utils」とします。
・float の表示は、基本的に行わない事とします。(今後コンパイルオプションで切り替える)
・整数計算のみを使い、巨大にならないよう配慮する。
・クラッシュは論外としても、きめ細かいエラーのハンドリングは省略する。(必要なら追加する事も可能)
・printf のフォーマットに近い仕様を網羅する。
・2進、8進、16進表示を行う。
・ゼロサプレスの制御
・有効表示数の制御
・オートフォーマットは未サポートとする。

format の中

・フォーマット文字列をスキャンして「%」以下の書式を読み取る。
    void next_() {
        if(form_ == 0) {
            err_(error_case::NULL_PTR);
            return;
        }
        char ch;
        bool fm = false;
        bool point = false;
        bool ppos = false;
        uint8_t n = 0;
        while((ch = *form_++) != 0) {
            if(fm) {
                if(ch == '+') {
                    sign_ = true;  // 符号付きの場合
                } else if(ch >= '0' && ch <= '9') {
                    if(n == 0 && ch == '0') {
                        zerosupp_ = true;  // 最初の数字が「0」なら、0サプレスしない。
                    } else if(point || ppos) {
                        if(point) {
                            decimal_ *= 10;
                            decimal_ += static_cast(ch - '0');
                        } else {
                            ppos_ *= 10;
                            ppos_ += static_cast(ch - '0');
                        }
                    } else {
                        real_ *= 10;
                        real_ += static_cast(ch - '0');
                    }
                    ++n;
                } else if(ch == '.') {
                    ppos = false;
                    point = true;
                } else if(ch == ':') {
                    ppos = true;
                    point = false;
                } else if(ch == 's') {
                    mode_ = mode::STR;
                    return;
                } else if(ch == 'c') {
                    mode_ = mode::CHA;
                    return;
                } else if(ch == 'b') {
                    mode_ = mode::BINARY;
                    return;
#ifdef WITH_OCTAL_FORMAT
                } else if(ch == 'o') {
                    mode_ = mode::OCTAL;
                    return;
#endif
                } else if(ch == 'd') {
                    mode_ = mode::DECIMAL;
                    return;
                } else if(ch == 'u') {
                    mode_ = mode::U_DECIMAL;
                    return;
                } else if(ch == 'x') {
                    mode_ = mode::HEX;
                    return;
                } else if(ch == 'X') {
                    mode_ = mode::HEX_CAPS;
                    return;
                } else if(ch == 'y') {
                    mode_ = mode::FIXED_REAL;
                    return;
#if defined(WITH_FLOAT_FORMAT) | defined(WITH_DOUBLE_FORMAT)
                } else if(ch == 'f' || ch == 'F') {
                    mode_ = mode::REAL;
                    return;
                } else if(ch == 'e' || ch == 'E') {
                    mode_ = mode::EXPONENT;
                    return;
                } else if(ch == 'g' || ch == 'G') {
                    mode_ = mode::REAL_AUTO;
                    return;
#endif
                } else if(ch == '%') {
                    out_(ch);
                    fm = false;
                } else {
                    err_(error_case::UNKNOWN_TYPE);
                    return;
                }
            } else if(ch == '%') {
                fm = true;  // フォーマットの開始を検出!
            } else {
                out_(ch);  // フォーマットに関係しない文字は、そのまま出力
            }
        }
    }
・オペレーター「%」を定義する
//  この定義では、int 型の値が代入された場合の挙動を記述します。
//  事前に format 文字列の中をスキャン(next_() 関数)して、「%」を見つけ、それに続く「型」を「mode_」に格納しておきます。
    format& operator % (int val) {
        if(mode_ == mode::BINARY) {
            out_bin_(val);
        } else if(mode_ == mode::OCTAL) {
            out_oct_(val);
        } else if(mode_ == mode::DECIMAL) {
            out_dec_(val);
        } else if(mode_ == mode::HEX) {
            out_hex_(static_cast(val), 'a');
        } else if(mode_ == mode::HEX_CAPS) {
            out_hex_(static_cast(val), 'A');
        } else if(mode_ == mode::FIXED_REAL) {
            if(decimal_ == 0) decimal_ = 3;
            out_fixed_point_(val, ppos_);
        } else {
            err_(error_case::DIFFERENT_TYPE);
        }
        reset_();  // 変数をリセット
        next_();  // 「%」のスキャンを再始動
        return *this;
    }

※これらはソースの一部です。
「%」オペレーターでは、「int」型、「unsigned int」型、「const char*」型など、色々な型を定義してあり、コンパイラが適合する型を選択して呼び出してくれます。

組み込みマイコンでは、A/D 変換した値(大抵、電圧や電流値)を、小数点以下まで表示させたい場合があります、そこで、「y」フォーマットを用意しておきました、これは、整数値を固定小数として扱い、小数点以下も変換して表示します、小数点の位置は「:x」として自由に設定できます。(最大28ビット)
※浮動小数点が扱えない場合などに重宝します。
たとえば、12ビットのA/Dコンバーターで、基準電圧を2.5V(4096)の場合で、A/D入力に1/5の電圧が分圧される場合は、以下のようになります。


    uint32_t adv = get_adc();
    utils::format<output>("A/D Chanel: %2.3:13y\n") % (adv * 25);  // 2.5 * 5 * 2 
//  2.5 * 5 ---> 12.5 なので、さらに倍にして、小数点以下を12に1を加えて13ビットとする。

※8進数は、あまり使わないと思うので、コンパイルオプションとしました。(リソースの節約)
※逆に、2進数表示は大抵必要なので、「%b」フォーマットを追加してあります。
※浮動小数点は、実装中です、仕様が複雑なので、今後の対応、課題とします。

最終的なソースコードは、format.hpp ここにあります。
※いつもの github

MinGW でビルドする RX マイコン用 gcc

開発環境を MinGW に移行して、懸案だった RX マイコン用 gcc の構築を行った。

以前の cygwin 環境では、途中で、gcc が止まったり、妙なエラーが出て、上手くコンパイル出来ない状態だった・・
これは、適切なオプションを選択する事で回避出来るようだが、情報が無いし、試行錯誤に疲れて棚上げ状態だった。

MinGW 環境では、何とも普通にコンパイル出来るので、逆に不思議でさえ思ったが、これが普通なんだろうね・・・

コンパイルの詳細は、「Interface 2014年2月号」に詳しく載っているようだが、ネットにあるクロスコンパイラの構築などを参考にしても良いだろう。

手順が複雑で、扱うパッケージのバージョンとの相性などがある為、上手くいかない場合があると思う。

-----

RX マイコン用では、gcc-4.7.3 が良いようだ、C++11 を本格利用は出来ないが、C++0x は使えるので、問題無いと思う、gcc-4.8.x は失敗するようだ。

RX-gcc-4.7.3-ELF パッケージ
※コンパイル済みバイナリーを置いておく。(107MB)
※gcc-4.8.1 で構築した。

C 言語よりお得な C++ その9

以前に、文字列を渡す場合に、「const char*」と、「const std::string&」などの参照コンテナで渡すのと、どちらを選択すべきか書いた。

C++ はオブジェクト指向言語であり、ポインターを渡すより、コンテナを参照渡しする方が殆どの場合有利なのは明白なのだが、C から移って来た場合、オブジェクト指向プログラムに不慣れな場合もあり、中途半端な設計(ポインターだったり、コンテナだったり)になってしまう事がある。
※思い返してみると、これは自分もそうだった・・・

今回、同じような事例として、「x、y軸」の位置を渡す方法を考えてみたい。

たとえば・・・

void set(int x, int y) { }

のような関数がある場合・・・

struct xy {
    int x;
    int y;
};
void set(const xy& p) { }

このように、「x、y軸」をコンテナに入れて、参照渡しにする方が何かと都合が良い。

しかし、多くの場合、直で値を入れたい場合は、冗長では?
みたいな意見もあるのだが、通常、直で値を入れて呼ぶ事は「稀」と思うけど、それでもそのようなケースが多いなら、以下のようにすべきだろう。

struct xy {
    int x;
    int y;
    xy() { }
    xy(int x_, int y_) : x(x_), y(y_) { }   ///< コンストラクターを定義
};
void set(const xy& p) { }
void set(int x, int y) { set(xy(x, y)); }   ///< 直で呼べるように定義を追加

    set(100, 200);        ///< 直接指定
    set(xy(100, 200));    ///< 直で呼びたい場合、このように書ける。

ここで、構造体 xy だが、メンバーは、public になっていて、アクセサーを使わずにダイレクトにアクセスしている点を検討すべき問題として付け加えておく。
※この例では、自分の流儀でそのような仕様にしているだけで、本来は、このような単純なクラスでも、アクセサーを用意してアクセスする事が望ましいと思う、自分の裁量で、メンバーに与える影響などが少ない場合は、ダイレクトでも良いと思っている為で、このようなダイレクトなアクセス方法に注意して欲しい。
内部の変数にアクセサーでアクセスするようにする事で、安全性や最適化など得られるメリットは他に色々あるのですが、範囲が大きくなり過ぎると思うので、これは、又、別の機会に論じる事とします。

上の例では、メンバーの型は「int」でしたが、構造体 xy をテンプレートにする事で、他の型も簡単に定義できる。

typedef xy<short> s_xy;
typedef xy<int>   i_xy;
typedef xy<float> f_xy;

template<typename T>
struct xy {
    typedef T value_type;
    T x;
    T y;
    void set(T x_, T y_) { x = x_; y = y_; }
    xy() { }
    xy(T v) : x(v), y(v) { }     ///< カスタムコンストラクター(同じ値で初期化)
    xy(T x_, T y_) : x(x_), y(y_) { }    ///< カスタムコンストラクター(個別に初期化)
    xy& operator = (const s_xy& p) { set(static_cast(p.x), static_cast(p.y)); return *this; }
    xy& operator = (const i_xy& p) { set(static_cast(p.x), static_cast(p.y)); return *this; }
    xy& operator = (const f_xy& p) { set(static_cast(p.x), static_cast(p.y)); return *this; }
};

「operator = 」を使い、複数の型に対応する事で、型が違う代入をスムーズに行えるようになるが、「float -> short」や、「float -> int」は、変換出来ない場合がある為注意する必要がある。
※そのような変換が起こった場合は、例外を出すなどが必要かもしれない。

typedef T value_type;

は、テンプレートの実装では、よく使われるやり方で、元の「型」を再定義する事で、そのクラスで使われている「型」にアクセスする方法を提供する。

    s_xy pos(0);    ///< カスタムコンストラクターが定義されている為、x、y、を同じ値で初期化する事が出来る。
    for(s_xy::value_type i = pos.x; i < (pos.x + 10); ++i) {
        ...
    }

※これは、例題なので、名前空間に入れていないが、実際に使う場合には、必ず、何らかの名前空間に入れて運用する必要がある、そうしないと、クラス名が既存のクラスとぶつかってしまう事になる。

「代数」のクラスは、自分で実装しなくても、ネットを探すと、色々なソースを見つける事が出来る、自分で実験的に実装する事で、より広範囲な理解とスキルを身につける事が出来る、そうしてから、より洗練された実装を利用しても良い。
※ある程度自分で作って、利用していると、愛着も沸くし、他の同じような実装に移るのが難しくなる、しかしながら、自分で作ったクラスはメンテナンスし易く、機能を追加したり改良するのが、楽であるメリットがある。

MicroChip RN-52 Bluetooth モジュールを使ったオーディオ再生

Bluetooth オーディオで、音楽を飛ばす場合(A2DP)は、圧縮フォーマットの関係で、良い音で聞くのが物理的に困難だった。
しかし、最近になって、新しい高音質プロファイル(APT-X/AAC)などに対応する機器が出始めた。

丁度、Microchip 社が、↑のプロファイルに対応した Bluetooth モジュールの販売を始めたので、使ってみる事にした。
RN-52
※Microchip 社のオンラインストアでも、1個から購入可能、モジュールが20ドル、送料が10ドル程かかる(発送には2週間程度かかるようだ)

このモジュールの特徴は:
・APT-X/AAC プロファイルに対応
・デジタル出力を出せる
※設定を行う必要がある。
・比較的安価
・外付け部品が殆どいらない
・Bluetooth のオーディオ系のプロファイル(AVRCP など)を全てサポートしている
・認証:FCC、IC、CE、Bluetooth SIG
・言うまでも無く、手軽に、自分だけの Bluetooth 機器を作れる

バッテリー内臓で、持ち運びが出来る、小さいラジカセのような物が欲しかったので、丁度良い感じ~

昨日、モジュールが届いたので、早速、簡単な動作確認をしてみた。

最初のハードルは、モジュールに出ているピンの間隔が 1.2mm と狭い為、工夫しないと、ユニバーサル基板に乗せられない。
自分は、適当な基板に絶縁用の板(フォーレックス)を乗せ、その上にモジュールを置いて、ワイヤーをハンダ付けした。
RN-52 Board

モジュールを自力で何とかするのが厳しい人は、SparkFun のブレークアウトを利用すれば良いだろう~(44.95ドル)

しかし、1.2mm 間隔のハンダ付けは、そんなに厳しいものでは無いので、根気だけだと思うな。

モジュールが出来たら、必要な配線をして、ペアリングをしてみよう~

・POWEN(21) ---> パワースイッチ
・VDD(22) ---> 3.3V(電流は動作中は少ないけど、ピークで30mA くらいは流れるみたいだ・・)
・GND(1,18,27,44,45,46,47,48,49,50) ---> GND(接地)
・LED1(32) ---> LED 赤色(470)
・LED0(33) ---> LED 青色(47)
・AGND(39) ---> AGND(アナログ接地)
・SPKR_R-(40) ---> 右SP-
・SPKR_L-(41) ---> 左SP-
・SPKR_R+(42) ---> 右SP+
・SPKR_L+(43) ---> 左SP-
※L-、R- は独立した出力なので、共通にする事は出来ない、又、インピーダンスの低い負荷(直でスピーカー)をドライブする事も難しいと思う。
※一般的なステレオイヤホン(ステレオプラグなど、接地が共通の場合)などを繋ぐ場合には、アンプを入れる必要があると思う、ドキュメントの回路図などが参考になる。
※電源には1uF程度のパスコンを念のため入れておく。

とりあえず、これだけ接続して、パワースイッチを押せば電源が入る。
長押しすれば、赤、青の LED が交互に光って、ペアリング待ちになる。

------
以前に USB のデジタルオーディオインターフェースを作った時に、バーブラウンの 24 ビット DAC などを買ったので、それを接続しようと思う~
S/PDIF 出力を行うには、RXD、TXD にターミナルを接続して、コマンドで設定が必要みたいだ。

IMG_0575s

APT-X/AAC などに対応した、USB アダプターは、最近ようやく入手出来るようになってきた。
※ドライバーがカスで、使えないやつもあるみたいなので注意!、MM-BTUD44 は、問題無く使えている。

アイデア次第で、自分だけのオーディオ機器を気軽に自作できて、これは流行りそうだなー

IMG_0577s
ラジオデパートの4階で、1個200円で売っていたスピーカー(F70A21-5)と、アンプを繋いで鳴らしてみた、このスピーカー、200円とは思えないwww、これは、ちゃんと箱に入れれば、普通に使えそうだなー

☆Bluetooth AUDIO としては、ポケットに入れて持ち運べるタイプも欲しい、そこで、ヘッドホンでの音を確認する為、ヘッドホンアンプとしては最強との呼び声の TI の TPA6120A2を繋いで視聴してみたー
RN-52 内臓の D/A コンバーターもそんなに悪く無い感じだ。
※TPA6120A2 は、+-両電源が必要なので、DC/DC(MAU106) コンバーターを使っている。
※一般に売っているタイプはスティックタイプで、凄く小さいけど、電池はあまり長持ちしないし、あそこまで小さい必要は感じないので、パワフルなアンプを入れてガッツリ作りたい。
やっぱりボリュームが欲しいなぁー
IMG_0579s