RX26TのPLLベースクロック不具合

RX26T の PLL ベースクロック

は、ハードウェアーマニュアルでは、120 ~ 240MHz となっている。

しかし、240MHz を設定すると動作しない状況だった。

120MHz なら動作するので、まぁ問題無いかと思っていたが、やはり気になるので、ルネサス社のサポートに問い合わせていた。

色々、やりとりをした結果、スマートコンフィギュレーターでプログラムを生成して試して下さいとの事だった・・
まぁ、そうなるよなぁーと思っていたが、やはり原因は究明しておかないとと思った。

しかし、オレオレフレームワークがある程度動作する環境だと、結構億劫で、門外漢が強く後回しになっていたが、ようやく作業を始めた。
※E2Studio は起動が遅いし、プロジェクト全体の構成などが複雑で、出来れば触りたく無い。

スマートコンフィギュレーターが生成したプログラムを眺めていて、以下の部分に気がついた。

    /* b19 to b16 should be set the same value as the ICK bit. */
    tmp2_clock = tmp_clock;
    tmp2_clock &= 0x0F000000;
    tmp2_clock >>= 8;
    tmp_clock |= tmp2_clock;

あっ・・・

ハードウェアーマニュアルを確認すると、予約ビットの扱いがひっそり書かれていた・・・

これは、罠だよなぁー・・・、そういえば、RX631でも同じような事があったよなぁー・・・
まぁ、自分のミスではあるのだが・・・
何でそこに気がつかなかったのか悔やまれる。

今回は、PLL ベースクロックが、228MHz なら動作していたもので、微妙な不具合で、デバイスの不良なのかと、ハードウェアーの問題だと思ってしまい、ソフトの問題に気が回らなかった。

今後、予約ビットの扱いは、最新の注意が必要だと痛感した・・・
※予約ビットに特定の値を設定する必要があるなら、「----」にしないで、特定の名称を割り当てるべきと思う。


GNU-RX 8.3.0 202305 バージョンの不具合?

RX26T では、TFUv2 が採用されている。

このサポートには、新しいコンパイラが必要と思われ、GNU-RX ツールチェインを最新にしておいた。

しかし、以下のオプションを使って、「cmath」 をインクルードした状態でコンパイルすると、エラーが出る・・・

-mtfu-version=v2 -mtfu=intrinsic,mathlib

※「mathlib」の部分
※「-mtfu-version」が追加されている。

c:\programdata\gcc for renesas rx 8.3.0.202305-gnurx-elf\rx-elf\rx-elf\rx-elf\include\c++\8.3.0.202305-gnurx\cmath:1122:11: error: ‘::hypotf’ has not been declared

 using ::hypotf;

GNU-RX 8.3.0 202004 とか一つ前のバージョンだと発生しない。

これは、現在、問い合わせ中だ。

mathlib は、通常の数学関数が、TFU を利用した高速版に置き換えられるものと思う。


まとめ

今回の騒動、素直に「スマートコンフィギュレーターを使ったらどうですか?」と言われそうだが、本当にそれが素晴らしいものなら初めから使っている。
色々と、ハードルがあっても、自分の信念は貫きたい、より一層の注意力が必要と思う一件だった。